エコセン 続・建物の仕組み
夏本番でございます。
暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
7月18日の本ブログで建物の仕組みを少しご紹介しました。
その記事の中で、「取り込んだ空気の温度をさらに下げる装置がある」
と書きましたが、それを簡単にご紹介します。
まずは、門外不出(でもない)の概念図。
エコセンの建物は、建物そのものを冷やす「躯体放射冷暖房」という方法で
館内の気温を上げたり下げたりしています。
この説明書きにあるとおり、床下、もしくは天井に冷温水を流しています。
こんな感じです。
ここに流す水を温めたり冷やしたりするための機械が地下にあります。
NH3と書いてあります。アンモニアです。オゾン層の破壊で問題になるフロンや、
その代わりに登場した代替フロンが強力な温室効果ガスであるため、冷媒の選択は
悩ましいのですが、エコセンは冷媒にアンモニアをチョイスし、オゾン層の破壊や
地球温暖化に対する問題をクリアしています。ただし、電気エネルギーは必要です。
ここで作った冷熱で冷温水を作り、
このタンクに保管し、床温度に応じて館内に届けられます。
また、この冷温水を通した管に空気を当てて、温度を上げ下げするということをしています。
7月20日の記事で、凍ったペットボトルに空気を当てて、その後の気温が下がっているのと
同じ考え方です。
その機械が↑この写真です。これだけ特殊な機械なのに、どう「一般」なのかはわかりません。
このような形で、先ほどの「一般型空調機」に冷温水が流れ込み、
そこに空気(地下をとおって温度を上げ下げした空気)を当てて
さらに空気の温度を上げ下げしてから、館内に流し込む、という流れになります。
また、先ほどのアンモニアを圧縮して冷熱温熱を作るのですが、
冷熱の場合、余分な熱を放出る、温熱の場合、外気の熱を吸熱し
圧縮の負荷を下げる装置が、屋上にある
こんな装置(通称ソルエアパネル)だったり、地下にある
こんな装置だったりします。
本日、エコセンにこれら設備を設計された方とお話しする機会がありました。
その中で、この設備一連の考え方は今でも「先端」だそうで、
最近竣工した建物でも、この考え方と同じものがある、と仰っていました。
「13年前の・・・」と言ってしまえば、古く聞こえてしまいますが、
環境負荷を下げる考え方は、ある意味普遍・不変であると思います。
「新しいものが良い」とは限らないのですね。(いわまつ)