JICA草の根プロジェクト最終成果報告会を開催しました!

京エコロジーセンターを運営する(公財)京都市環境保全活動推進協会(KEAA)は、京都市やJICA (独立行政法人国際協力機構)と協力し、マレーシアにてJICA草の根技術協力事業「ASEANのモデルとなる低炭素社会実現に向けた人材育成とネットワーク拠点の機能強化プロジェクト」(事業期間:2021年10月~2025年1月、約3年3カ月)を実施してきました。

プロジェクトの終了を控え、昨年12月15日(日)に京都市のキャンパスプラザ京都にて最終成果報告会を開催しました。報告会には市内外から60名以上の市民や行政職員、市内で環境活動に携わるNGO関係者などが参加した他、これまでプロジェクトを一緒に進めてきたイスカンダル地域開発庁Dato長官、京エコロジーセンター新川館長、マレーシアエコセンター専門職員、京都市職員、JICA関西の担当者が参加し、盛大に執り行われました。

【第1部:成果報告】
2023年2月に「京エコロジーセンター」をモデルに開設された、ジョホールバル市の環境学習拠点Sudut Lestari(マレー語でサステナブルコーナーの意味。通称エコセンター)で専門職員として実務にあたるジョホールバル市及びイスカンダル地域開発庁の職員より、センターの運営状況やこれまでの活動実績について報告がありました。さらに、エコセンターを拠点としてジョホールバル市以外のマレーシア国内の他地域やASEAN地域(タイ、ベトナム、インドネシア)を対象とした研修に参加したマレーシアTawau市の担当者から、マレーシアと日本での研修を踏まえて策定した環境活動計画についての発表がありました。

プロジェクト成果報告の様子

登壇者、プロジェクト関係者との記念撮影

【参加者からエコセンター専門職員への質疑応答】

Q エコセンターに来館者を集めるため、どのような工夫がされていますか?
A 来館者が環境について楽しく学び、実践につなげられる活動を紹介することを目標に、移動型展示物の開発やSNSを活用した広報活動を行っている。

Q エコセンター開設にあたりどのような課題がありましたか?
A 図書館司書がエコセンターの専門職員として業務を担うことになったことから、職員自身の低炭素(脱炭素)や環境問題の知識を学ぶところからはじまり、センターに設置するための展示や学習プログラムの開発など予算の確保にも課題があった。

【第2部:パネルディスカッション】
IGES(地球環境戦略研究機関)の藤野氏をコーディネーターに迎え、京都市内で環境活動を担うNGOの職員やマレーシアを題材に廃棄物削減や市民の環境意識について卒業論文を執筆した大学生、エコセンター専門職員2名、京エコロジーセンター新川館長が登壇し、「市民が主体の脱炭素社会を実現するために環境学習拠点が果たす役割とは?」を題したパネルディスカッションが行われました。

プロジェクトを通して京エコロジーセンターの双子のような学習施設がマレーシアにも開設され、京都と同じように来館者が自由に集い、環境について学びを深める場所として運営されています。

◇ボランティア

京エコロジーセンターでは、市民の皆さんに環境ボランティア(通称:エコメイト)として活動頂いていますが、マレーシアのエコセンターでは「Rakan Lestari(サステナブルフレンズ)」と呼ばれており、現在71名の市民がボランティアに登録し、エコセンターでの活動をサポートしています。

Rakan Lestariによる展示案内の様子

◇来館者向け学習プログラム

京エコロジーセンターで主に小学4年生を対象に実施されている3Rを学ぶ学習プログラム「ごみへらし隊」ですが、マレーシアのエコセンターでは「Let’s separate(分別しよう)」という名前で、ごみの減量と正しい分別方法を学ぶプログラムが実施されています。

この他にも、センター周辺の動植物を観察する「野生動物レンジャー」やリユース素材を活用した「アップサイクルクラフト」など、京エコロジーセンターにはない独自の学習プログラムが開発され、来館者に展開されています。

学習プログラム「Let’s separate」実施の様子

この他、エコセンターの様子や京エコロジーセンターを参考にマレーシアで活用されている環境学習施設運営のポイントを京エコロジーセンター2階の国際事業紹介コーナーでも紹介していますので、もっと知りたいという方はぜひ見に来てください!

(たかはし)

【Sudut Lestari(マレーシアのエコセンター)】

住所: Perpustakaan Sultan Ismail / Sultan Ismail Library
Jln Datin Halimah, Larkin, 80350 Johor Bahru, Johor, Malaysia

電話:+60-7-239-1795

メール:psimbjb☆gmail.com(☆を@に変えてください)

入館料:無料

開館時間:9:30~18:00

休館日:金曜日・祝日

※事前に連絡して頂くと、エコセンター職員からの展示案内を受けることができます。

https://www.facebook.com/psimbjb/