希少植物のワレモコウが開花しました!
エコセン玄関前では、KESエコロジカルネットワーク(KESエコロジカルネットワークについて: 事業所で守り育てる「和の花」写真展)の活動の一環で希少植物を7種類育てています!
カワラナデシコ、アヤメ、ヒオウギ、、これまで次々と花が咲いてきた希少植物たち。そしてエコセンのボランティアの皆さんが朝夕水やりをしてくれているおかげで、この猛暑を乗り越えながら今回咲いてくれたのは、、、
「ワレモコウ(吾亦紅)」です!
最初見たときは、これは花?ちっさいタワシみたいだな(笑)と思ってしまいましたが、花でございます。なんとバラ科だそうですがトゲはなく、その葉は小さな葉が複数集まった羽根状で、縁はギザギザしています。
ワレモコウは、絶滅危惧種として指定はないものの京都府内で自生地が減少している種となります。その歴史は深く、平安時代に書かれた日本最古の百科事典と言われる「和名抄」や、かの有名な源氏物語のなかにも登場するそうですよ。京都に古くからゆかりのある植物なんですね。
またその根っこは、生薬として古くから「止血薬」として用いられていたそうで、学名の ”Sanguisorba” は、ラテン語で ”sanguis” (血) + ”sorbere” (吸収する)に由来し、止血効果があることを意味するそうです。
序盤にタワシみたいだと少し失礼なことを言ってしまいましたが、よく見るとなんとも綺麗で、宝石のルビーのような深い赤紫色、謙虚で可憐なたたずまい。とても奥ゆかしく日本らしいお花であることに加えて、薬にもなるとは、、、愛着がどんどん湧いてきております。
目で楽しみ、香りで楽しみ、そして薬として有益と、、、この小さな植物の一種が人の生活を豊かにする。昨今、生物多様性が大切だと言われておりますが、こういうことなんだと学ばせてくれるようなワレモコウ。
この一種を失えば、平安時代の人の気持ちもわからなくなるかもしれませんし、上記のような人の生活の豊かさを失ってしまうことにもなる。また自然の生態系のバランスが崩れるきっかけにもなりかねない。だからこそ色んな種が存在すること、生物多様性が大事なんですね。
そして一見、人に有益でないような植物たちもほかの生物にとって欠かせない種であり、まわりまわって人の有益につながっている可能性を考えると、一種一種の生物が有難く感じます。
、、、と余談が長くなりましたが、なんとなく「種の多様性」の大切さを再認識してもらえると嬉しく思います。
さてタワシからの宝石のルビーへと、後半の急激なベタ褒めはさておき、
ワレモコウは、はるか昔の京都の草原にも、夏の終わりから秋口にかけて咲いていたのかもしれません。
ぜひ皆さんもエコセンにお越しの際は、平安時代の貴族も愛でたであろう「ワレモコウ(吾亦紅)」をご覧になってみてくださいね。
(こまき)
<参考HP>
・公益社団法人日本薬学学会 生薬の花 ワレモコウ
・京都文化交流コンベンションビューロー 古典の日絵巻|古典の日|11月1日は古典の日