希少植物のキクタニギク・フジバカマが開花しました!

エコセン玄関前では、KESエコロジカルネットワーク(KESエコロジカルネットワークについて: 事業所で守り育てる「和の花」写真展)の活動の一環で希少植物を7種類育てています!

カワラナデシコ、アヤメ、ヒオウギ、ワレモコウ、タムラソウ、フジバカマと順々に咲いてきてくれた希少植物。
今回この希少種開花マラソンのラストランナーとして、開花してくれたのは、、、

キクタニギク(菊谷菊)です!!

その見た目は、鮮やかな黄色で、何とも可愛らしいサイズのお花で、いわゆる菊っぽい大きな花ではないんです。それこそ生け花や髪飾りなどに使えば、日々の暮らしの粋なアクセントとして、そっと馴染むような可憐なお花だと思いました。

このキクタニギクが山の合間の一面に広がるように咲き誇って、かつては京都の観光名所になっていたとは。タイムスリップできれば、ぜひその光景を見てみたいものですね。

またすっかり投稿するのが遅くなってしまいましたが、11月下旬ごろにはフジバカマも咲いておりました。今年の夏が暑かったせいか、地上部が少し枯れてしまったこともあり、開花が遅れていたようです。


フジバカマは、見たり聞いたりしたことがある人が多いかもしれませんね。その蜜を求めて、アサギマダラという蝶が飛来することで有名です。雄はその蜜を吸うことで、雌を引き寄せるフェロモンをつくることができるそうです。蝶社会のマッチングに必須のお花なんですね。

また源氏物語にも登場したり、その香りの良さから小さな袋に入れて、着物に忍ばせ、香水のように使用されていたそうですよ。ちなみにその良い香りは、生きている葉っぱからはあまりせず、枯れ草となったときに最も香るそうです。
実際に私も香りをかいでみましたが、本当に「桜餅」「草餅」のような爽やかで奥ゆかしく上品な香りがしました!着物や和服など、和の装いにぴったりな香り。

美しい薄紫の花を愛で、その香しい葉を身に纏う。自然と共生した人々の暮らしがあったことを思い馳せてしまいました。

さて、今回はキクタニギクとフジバカマの2種の京都の希少植物をご紹介しました。

これまで紹介してきた希少植物は、京都市内の企業・団体が各事業所で京都の希少植物を守り育てる「KESエコロジカルネットワーク」という枠組みの中でその保全活動を行っています。

ぜひ皆さんも、皆さんができる範囲で、平安時代から脈々と続く自然とともに生きる京都の文化やその優しく美しい心をこれからも紡いでいくことを一緒に続けていければと思います。
これから植物の地上部は冬の寒さで枯れてしまいますが、土の中ではしっかりと生きています。寒い冬を越えて、また来年の春を元気に芽吹くことを心待ちしていただければと思います。キクタニギクは12月中旬ごろまで咲いていると思いますので、エコセンに来られた際はぜひご覧ください!

(こまき)